講演録第6弾「印刷の過当競争時代を生き抜く」

13.先進的な企業経営とパートナーシップ-2

工場の運用状況においても様々な取り組みを行っており、現在大台マシン3台に対してそれぞれに1人のオペレーターを配置し、これら3台を掛け持ちしてサポートするオペレーターが1人の4人体制で運用しています。サポート役のオペレーターは、3台を掛け持つことで各マシンの稼働状況が随時変わることをオンジョブの中で理解し、目配り、気配り、心配りの重要性を修得します。

弊社を見学に来られた同業の多くの方が、工場内に飛散するパウダーが少ないと言われます。パウダーだらけの環境には絶対に置けないCTPを、何の仕切りもなく工場にそのまま配置して、これまで問題なく運用しております。このCTPを印刷現場に置く理由はどこにあるのかと言いますと、作業効率のアップと多能工化が可能になることです。以前は印刷の現場から離れた環境でCTPの運用を行っており、オペレーターは印刷に関してそれ程深い見識はありませんでした。ところが、印刷現場にCTPを置きますと、次のジョブが瞬時に分かるため、より素早い行動が求められます。また印刷オペレーターは刷版の出力もできますし、後工程の製本サポートも行います。印刷のサポートにはCTPや製本作業者が付くことができるようになっています。以前より多能工という考えで行動してまいりましたので、弊社ではこれが当たり前となっています。


他社にとっての非常識を、自社にとっての当たり前とすることが、変革へ向けた行動の基本姿勢だと考えます。いつまでも固定概念に縛られることなく日々非常識にチャレンジすることで、昨日とは違う今日を迎えることができると信じています。今後はより多くの皆様と強い協力関係があってこそ、理想とする印刷の未来を築くことができると信じて疑いません。

本日ご参加されている印刷関連業の皆様にも、日頃様々なご協力をいただいておりますことに心より感謝申し上げます。今後とも決して諦めることなく、チャレンジ精神を発揮し、印刷の明日を切り開いてまいりたいと考えておりますので、更なるご支援をお願い申し上げ、私の話を終わらせていただきます。本日はありがとうございました。