講演録第6弾「印刷の過当競争時代を生き抜く」

11.過当競争とはレベルの違うビジネスへ-4

このチャートはDICカラーをコンピューターで疑似特色に変換したものです。掛け合わせで再現した色はどの分野においても応用できるものと考えております。裏面は疑似特色で文字を印刷したチャートになっています。今までは文字に色を付けることは非常識だと言われてきましたが、薄紙印刷で修得した精密な掛け合わせ技術により、弊社では当たり前に印刷しています。その掛け合わせ技術を用いて印刷したものが「今 印刷会社がすべきこと」という冊子です。この冊子はアグフア・ゲバルト日本法人の主催で行った弊社見学会において松石社長と対談した内容を書籍化したものです。本文は目に優しくという観点から、プロセス3色の掛け合わせを使って万年筆の青インクに似せてみました。また、重要箇所にマーキングを施し、時間のない方はマーキング箇所を繋いで読むだけで、内容が分かるという合理的な機能も含めました。これまでは特に明朝体など細い文字の掛け合わせはできない、というよりしないことが常識でした。しかし、きちんと管理がされた刷版と整備された印刷機械そして利用技術があれば問題なく再現できるということが、このチャートと冊子をご覧いただければ一目瞭然です。

他にも不織布でカレンダーなどの印刷も可能となりました。不織布へのオフセット印刷は、全国で5社程度しかできない、そんな仕事だそうです。弊社でも印刷テストを行い印刷することができましたので、今は6社になったということです。その中でもB1サイズに印刷できる会社は現在弊社だけのようです。

印刷ができるかできないかの結果は後で付いてきます。まず様々なものにチャレンジすることによって、その数だけ何かしらの可能性が生まれてきます。これがチャレンジした者のみが体感できる、苦労の先に未来を垣間見るとても大切な瞬間なのです。こうした可能性に対し、更に突き詰めていこうとする前向きな意識が、会社を更に大きく変える原動力になると確信しています。皆さんも既に準備は整っています。それぞれの目標に向かって、迷うことなくチャレンジへの第一歩を踏み出す勇気を持つことがとても重要です。