講演録第6弾「印刷の過当競争時代を生き抜く」

4.成功に踊らず次の一手へ-2

印刷通販事業と並行して、弊社は2005年から情報更新型印刷フレッシュプリントの提案を行ってまいりました。印刷物が一度も使われることなく廃棄されてしまうという現実を、印刷関連業界に身を置かれる皆様であれば、既に申すまでもなく十分にご理解いただけることと存じます。この現実を我々はこれまでどのように受け止めてきたのでしょうか。「無駄になったっていい、そこに売り上げと利益が含まれていれば。綺麗ごとをいくら並べ立てても商売はできない」そんな冷ややかな思いで見て見ぬふりをしてきたのではないでしょうか。

しかし、いつまでもこうした認識のままで、印刷業界が今後発展する可能性を秘めた業界として存続することができるのでしょうか。現状を見渡せば、誰もがそんなに甘くはないことに気付いているのです。ならばどうすれば良いのか。答えは、捨てられる印刷物は作らないです。そのための仕組みをお客様にご提案し、捨てられる印刷物を作らせないためには、「多くを作るから無駄が出る」この考えの意味する本質を理解してもらう必要があります。そこで、お客様が年間どれ程の数の印刷物を必要とされているか調査を行い、次にどのタイミングで変更が発生しているのかを併せて調べます。この変更されるタイミングごとに新しい改訂版を作る提案を行います。そして、分割・更新型印刷では年間使用する総数から算出した単価を採用しますので、常に同一単価での発注となります。

このように年間計画に基づく予算管理がしやすい環境を整備することで、読みが甘く追加で高い単価で印刷物を仕入れるリスクをなくし、より柔軟で利用しやすい環境を提供します。これは現在我々の業界で行われる結果対応の提案とは対極を成す、予測の精度を上げる先行管理の提案です。