講演録第7弾「今 求められる未来への決断」

15.利益を生み出す組織を再定義する

ここで弊社の印刷現場の体制を少しお話し致します。印刷機械は全てハイデルベルグ社製でして、14年目になる菊全8色機、菊全伸び片面4色機、菊全伸び両面8色機という設備の内容です。各マシンにそれぞれ1名のオペレーターと、全体をサポートするチームリーダー1名の計4人編成で稼働しています。1日2交替、朝は8時半から夜は10時までと、途中で交替しながら作業を行っています。見学で来社される皆さんが、口を揃えて人が少ないと言われます。

CTPを印刷機械の隣に設置していますが、プレートメーカーさんやCTPメーカーさんにとっては、印刷現場にCTPを設置することなど非常識だと思われるでしょう。しかし、弊社は水を徹底的に絞っておりますので、パウダー量も少なく、使っているかどうか一見分からないくらいです。こうした環境を作れば、皆さんも印刷現場にCTPを設置できるはずです。そうなると、CTPのオペレーターも印刷現場の一員に数えることができます。

結果、どういったことが起こるかと言いますと、これまでは、わざわざ印刷現場へ行ってサポートするのは不可能でしたが、今は面付け、出力だけが仕事ではありませんので、印刷オペレーションのサポート、製本加工作業のサポート、そして工程管理ができる多能工の状況が生まれます。そうなると人員はそれ程多くは要らないということになるのですが、皆さんの会社はどのような状況でしょうか。

こうした多能工の育成を目指すのであれば、スタッフの評価も自ずと変えねばなりません。これまでの評価は、問題なく効率良く出力することが評価の総てでしたが、今は違う仕事ができる能力を身に付けたかが、重要な評価ポイントとなります。新しいチャレンジの機会が生まれることで、印刷オペレーターも後加工の断裁、折り加工、綴じ加工などのトレーニングを行っておりますので、人員の入れ替えや急な欠員が発生しても問題なく対処できるようになっています。