講演録第7弾「今 求められる未来への決断」

5.片手はいつも空けておけ-1

私は常に新しい物を掴み取るスタンスで経営を行ってまいりました。両手いっぱいに今までの仕組みを抱え込んでいて、どうやって新しいものを掴みとることができるのでしょうか。少なくとも弊社は、片手を離す姿勢をこれまで貫いてきたつもりです。それ故に、売上を大きく伸ばしている会社でもありませんし、急激に業績が好転するようなこともありません。しかし、可能性を秘めたチャレンジ精神旺盛な会社へと進化したと感じています。

片手はいつも空けておく。皆さんのお考えはいかがでしょうか。新しい物を掴み取ろうと考えたら、今ある仕事を精査することが必要になる時期が必ず来るのです。


弊社は先程申しました通り、ネット受注の仕組みを大きく変える準備をしています。これによりどういうことが起きるかと申しますと、仕事が空いてきます。これまでの通販の仕組みから、新たな仕組みへと体制を変えることにより、お客様が離れ、仕事が減って機械が遊ぶ状況になることは覚悟の上です。しかし、機械を遊ばせるのではなく、空いた時間を活用して、新しい商材や製品開発の研究に充てるのです。そうすることによってこれまでとは違うプロセスカラーで印刷するという疑似特色の仕組みが生まれたのです。