講演録第3弾「- そんな話聞いたことがない - だから非常識なのです」

3.シンプルな発想から生まれた乾燥促進印刷-2

本日ご覧いただきますが、どんてん印刷で片面の印刷が終わった段階ですぐにひっくり返して裏側の印刷を行います。確かに、当社で使っているマシンは大変高価で素晴らしい性能を持つマシンです。でもそのマシンの能力を100パーセント引き出して印刷できるかどうかは、やはりオペレーターの技術レベルにかかっています。今日の印刷設備はボタンさえ押せばある程度の結果を出すべく動くんです。しかし、ただボタンを押すだけではなく、その先にあるどうすればレベルの高い結果が短時間で得られるのかをオペレーターが理解してオペレーションをしているかどうかが重要なのです。

例えば今回導入した印刷機は、環境が整っていれば13枚に1枚インプレスコントロールというシステムが印刷しながら自動で色補正や見当合わせをしてくれますから、オペレーターの作業環境は格段に改善されます。しかし、それも設備を完璧な状態に保持してこそ活用できるシステムなのだと認識しています。他の機械はそこまでの機能がありませんのでオペレーターが細かく管理と監視をしなくてはいけません。その時、色の変化がどういう形で出てくるのか事前に察知して、これだけ補正すればここまで濃度が上がる、あるいは落ちるということを理解した上でオペレーションをするのと、機械任せの場当たり的なオペレーションをするのとでは自ずと結果が違ってくるということです。

見方を変えれば、設備はオペレーターの指示に的確に反応する整備された状態でなければならないということです。その辺は、印刷の現場のプロの皆さん方であれば十分お分かりかと思います。