講演録第2弾「非常識が企業を進化させる - 全体最適は社会も変える -」

9.変化を恐れる企業に成長はない-1

本田 吉田印刷所様には1つ1つの色々な技術の要素があるんですけれども、まず、今までのお話にあったような基本的なお考え、視点をお持ちだということを前提にして、詳細を見ていきたいと思います。

実は吉田印刷所様では、DTPから印刷までのデータ受け渡しシステムの入れ替えを数年前から検討されていました。移行中にはトラブルもありましたが、それを乗り越えて2010年初めに本格的に稼働し、既存システムからの移行を完了されました。

一般的にワークフローの見直しは印刷会社の中で非常に抵抗感があり、作業者にとってはあまり触られたくない、変えたくないところです。しかし、吉田印刷所様はそこをクリアされて新しいワークフローをお使いなのですが、御社の場合の「物事を変える」「考えを変える」ということについて、お話をいただけますでしょうか。


吉田 簡単にお話し致しますと、ワークフローを変えることによって、これまでにない新たな発見や気付きがあれば良いと思っていました。発見や気付きは既にいろんな部分で出ていますので、これから1つずつ拾い上げて改善に持っていきたいと思っておりますし、そうしなければ変えた意味がないと感じています。どんな組織も変化には臆病なものです。しかし、変化しなければいつまでたっても可能性は生まれてきません。


本田 今のお話は違う解釈をすると、問題解決できなかったとも取れてしまいますが。(笑)当然そうではなくて、社長がおっしゃったのは、今までのやり方がこうだったから今後もこのやり方を続けるということでは成長がない、発展がないということだと思うのですね。環境を変えることで大きな気付き、様々な課題を見 つけて、それを1つ1つ潰していくことが重要だと。

現在、実際に少しずつ問題解決をされているところでもあります。吉田印刷所様では、MISと呼ばれる業務管理ソフトや経営情報システムを全て自社開発されているのですが、その中で工程の自動化を進めていらっしゃいますので、簡単にご説明したいと思います。