講演録第5弾「今 印刷会社がすべきこと」

4.お金を掛けず無駄を出さない弱者の選択-1

松石社長 アグフアゲバルトの松石です。私が吉田印刷所さんにお伺いしたのが今から3年程前なんですが、新潟の吉田印刷所さんというと、すでに全国にその名前を轟かせておられました。新潟駅を降りてすぐそこにあるのかと思っていましたら、営業の車に同乗して、どんどん山の方に向かって行く。そんな中で感じたことは、都内にもたくさんの印刷会社が存在するのに、何でわざわざこんな遠くまでこなければならないのかと、とても複雑な気持ちで向かったことを思い出します。

当時はこの工場ではなく、ここから車で5分位の場所にありました。大変失礼な話ですが、それはもう本当にボロボロの古い鉄筋コンクリート建ての建物でした。例えれば下町の軽印刷屋さんという感じで、これがあの吉田印刷所さんなんだ、そんな思いで建物の中に入った記憶があります。しかし中に入るとこれがまたビックリなんですよ。ピッカピカの近代工場で清掃が行き届いている。床にはインキの飛び散り等は見えず、10年前の印刷機もつい最近買ったばかりのような手入れの良さには驚かされました。


そんな印象を持った吉田印刷所さんは、今ほど社長が話されました乾燥促進印刷と、もう1つ有名なのは日本で最初に行ったネット販売事業があって、技術だけでなく経営的にもユニークな展開をされる経営手腕の高い経営者でもおられるわけですが、皆様も気になっている乾燥促進印刷についてもう少しお聞きしてみたいと思います。

ハイデルさんも他の印刷機メーカーも推奨していない、ましてや誰も進んで手を出さない厄介な技術確立について思い立った理由をお聞かせ願えればと思います。