講演録第1弾「非常識が未来を創る - パンドラの箱の真実 -」

2.手入れというのは、間引きも含めての手入れだ

私どもの会社は1920年に祖父が作った会社で、私が3代目です。あと9年もすると百年企業になります。百年企業にしては、たいした売り上げもございませんし、会社の中身も質も、まだまだ自慢できるような会社ではありませんが、ただ、研究心や興味を持つことに対して、人一倍関心の強い会社であってほしい、そう願ってずっと見守ってまいりました。


当社の歴史を振り返ってみますと、1984年から1993年、この時期が第1ステップと位置づけられます。その後1994年から2003年、これが第2ステップ。2004年から2013年までが第3ステップになろうかと思います。

ホップ、ステップ、ジャンプと、第3ステップが終了するまであと数年ですが、何とか飛躍できれば良いなあ、そんなふうに思ってその時々の経営を行ってきました。

第1ステップの時期は種蒔きの時だと思っています。この時に作った標語が「あたりまえの種蒔」です。この標語は今でも使っています。第2ステップが手入れの時、そしていよいよ収穫の時となる第3ステップ。この3つのステップを振り返ってこれからお話したいと思っています。

手入れというのは、間引きも含めての手入れです。


私は父親から会社を受け継いだ後、その当時あった設備は第1ステップと第2ステップの期間で全てなくしました。総合印刷の看板を下ろし、訪問営業活動を廃止し、数多くあった営業品目も集約しました。もちろんお客様もです。

今で言う「選択と集中」を地で行った、そう思っています。その過程で厳しい状況に何度も直面する。それは当然起こり得ることですし、予測できることです。しかし、これを行わなければ何も変わらない。事の重要性を全社員で理解し、次のステップに進んでいけば、苦しみの結果として収穫の時がやってくると考えてなんとか耐えてこれたと思っています。