講演録第4弾「私たちは価値の実をお客様と共に収穫する会社です。」

7.厄介な所にしかチャンスはない-1

環境と経済、エコロジーとエコノミーは誰が考えても両立させねばならない問題です。環境を考えていると言われる企業が作るパンフレットの裏側には、何故か環境配慮のマークがこれでもかと思うくらい印刷されています。こんなにたくさんのマークを使用している会社だから、人一倍環境に配慮しているのだと言いたいのでしょうか。

ところで皆さんは、「100パーセント古紙のリサイクルペーパー」とはどういう紙かご存知ですか。古紙100パーセントの紙が本当に出来るのであれば、ロスのない完全循環型システムが製紙業界で確立されているということになります。

しかし、これには裏があって今は製紙メーカーが工場内で出したロス紙も古紙として扱われています。このインキが付着してない未使用紙がリサイクルの原料として投入されているわけです。つまり、製紙メーカーが一定品質の100パーセントリサイクル紙を多く作ろうとしたら、この未使用古紙をたくさん作らなければ成り立たない仕組みです。

何かおかしいと思われませんか。この100パーセントリサイクル紙を使って欲しいという役所や企業がこれまでたくさんありました。こうした事情を分かっていて要請しているのか首をかしげてしまいます。

皆さんが良くご存知の印刷物に、県や市町村の広報誌があります。この広報誌をお読みになっている方は手を上げてみてください。

はい、ありがとうございました。3から4割程の方が読まれていないようです。これから益々若い方には読まれなくなるような気がします。当社にも毎年広報誌の見積り依頼が参りますが、年を追う毎に受注金額が下がっていく異常な状況が生まれています。これが本来、市民の求める物品調達になっているのでしょうか。確かに市民の皆さんの税金で作られている訳ですから、無駄なお金を使ってはなりません。ならば、この読まれない無駄はどのように考えれば良いのでしょうか。読まない家庭に無理やり配布する必要があるのでしょうか。

現在、広報誌はインターネットで閲覧できるようになっています。紙面に掲載された情報だけでなく、更にその奥にある情報にアクセスできる案内機能を有した広報誌であったら、その利便性はこれまでとは比較にならない程高まり、利用者も増えると思うのですが如何でしょうか。