このページではIllustratorデータでグラデーションを使用した場合にトーンジャンプが発生してしまう問題についての説明を掲載しています。
問題の状況
Illustratorで塗りにグラデーションを使用する場合、場合によってはグラデーションの印刷でトーンジャンプ†1を起こす場合があります。
▲トーンジャンプの例(イメージ)
対処方法
EPS保存時に対応する方法と、グラデーションを画像化して加工する方法があります。
EPS保存する際にPostScript 3保存してトーンジャンプを軽減する
Illustrator EPS保存する際にPostScript 3保存すると、PostScriptの機能でグラデーションの品質が向上し、トーンジャンプの現象をある程度改善できる場合があります。†2
グラデーションを画像化してトーンジャンプを軽減する
グラデーションを画像化し、ノイズを少しだけ加えると、トーンジャンプの発生をある程度減少させることができる場合があります。†3
これは印刷時に網点が特定の濃度で急激に接近し、急激にカラーが変化(トーンジャンプ)することに対して、意図的にノイズを入れ、カラーを散らすことで回避できることがあるからです。
全チャンネル(CMYK)を使う場合
Illustratorで作成したグラデーションをPhotoshopで開きます。
全体を選択し、メニューから「フィルタ」→「ノイズ」→「ノイズを加える」を選択します。
「ノイズの量」を設定し、ノイズを僅かに加えます(わからない程度)。
特定のチャンネル(例:CとMだけ)を使う場合
Illustratorで作成したグラデーションをPhotoshopで開きます。
使用しているカラーのチャンネルをひとつ選びます。
全体を選択し、メニューから「フィルタ」→「ノイズ」→「ノイズを加える」を選択します。
「ノイズの量」を設定し、ノイズを僅かに加えます(わからない程度)。
他に使用しているカラーがあれば他のカラーのチャンネルを選択し、同様にノイズを加えます。
ノイズを加えた場合の注意
グラデーションが白(C0% M0% Y0% K0%)から始まっている場合は、この方法を行うと、白の部分に1%~2%程度のカラーが入ってしまいます。
このカラーは印刷で表現されてしまうことがあるので、Photoshopの「色調補正」の「トーンカーブ」などで1~2%程度白く飛ばすようにしてください。