『チャンスは厄介の中に潜在する』(6)非常識が生んだ印刷プラン

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複数回に分けて弊社が発行している書籍『チャンスは厄介の中に潜在する 私たちは価値の実をお客様と共に収穫する会社です。』の内容をメールマガジンでお届けしております。

経営者・営業担当向けの内容になっております。

この書籍は一般非売品です。


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本書は、五泉信用組合若手経営者の会主催により2012年2月8日に開催された、株式会社吉田印刷所社長吉田和久の講演「非常識な経営理念」を書籍化したものです。

当日は若手を中心とした次世代を担う経営者が多く来場し、講演に熱心に聴き入る姿が見られました。

尚、書籍化にあたり、発言の流れや言葉の入れ替えなどの修正を行っておりますので、予めご了承ください。

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《前回: https://www.ddc.co.jp/mail/archives/20121018/120300.html


●非常識が生んだ印刷プラン

当社も営業活動を停止した際には非常識と言われましたが、蓋を開けてみれば、お陰さまで全国から仕事を頂戴できて、ほっとしたことを思い出します。

昨年、この通販事業もこの先長くは続かないと判断し、新営業部隊の「かたり部」(かたりべ)という新営業組織を編成したことは、先程お話しした通りです。

従来の営業とは考え方も行動も違う、プロセスを重視したかたり部がこれまでにない、新しい印刷の未来を拓くことを期待しています。

ここでかたり部がご案内しております「新価値提案による印刷プラン」を少し説明させていただきます。


小口分割プリント」これが当社の非常識の第一歩です。

これまでの印刷は、中身の情報が同じならば、まとめて多く作ると安くなりました。

しかし多く作り過ぎると、使用しているうちに情報が古くなり一度も使われずに廃棄されてしまいます。

これではせっかく作った意味も価値もなくなってしまいます。

よってまとめて多く作ることは止め、小口に分割することによって調達に柔軟性を持たせ、廃棄ロスをなくし印刷物が本来果たすべき役割を真っ当できるようにしようという調達方式です。


「フレッシュプリント」とは、中身の情報に変化がない小口分割とは対極に位置する、常に新しいフレッシュな情報を、その都度紙面に落とし込むという方式です。

2009年にドイツにあります印刷機のトップメーカー、ハイデルベルグ社が「エコ・プリンティング・アワード」という賞を創設し、世界13ヵ国52社の応募の中からカナダの会社と当社が受賞の栄誉に浴しました。

当社が受賞した革新的ソリューション部門では、このフレッシュプリントが他には類のない環境にとても優しい取り組みであるという評価でした。

この賞をいただいたことで、会社全体が新たな自信を得ることが出来ました。

当社の提案を分かってくださる人は間違いなくいるとの思いを強く持ち、これを励みに更に様々なチャレンジをして、より進化した仕組みを作らねばと思っております。


「ライトプリント」とは、利用者にとってカタログが厚くて重いという、使い勝手の悪さを解消するために、薄く軽くすることによって利便性の向上を図る仕組みです。

現在使用している紙より重さを4割削減する薄い紙で印刷する提案を軸に、使い勝手の良い分冊をプラスする等の改善提案です。

今後も利便性を追求し、次の商品開発に役立てたいと考えています。


「バリュープリント」は、ライトプリントの技術で培った薄紙印刷技術を更に追及して生まれました。

マシン性能の限界値とされるマックス0.03ミリメートルを超え、0.025ミリメートルの用紙で両面印刷を実現した、世界でも類のない印刷技術がベースとなっています。

夏に総務部の窓に貼って遮光性、遮熱性のテストを行った結果、室温を1度下げる効果が生まれました。

このような技術を活用した、角度の違うビジネス展開が出来るのではないかと期待しています。


「プロポーザルプリント」これは、利用者の使いやすさをとことん考えた、不便を是正する印刷提案です。

ある大手建材メーカーへのヒアリングでは、「自分たちの発信する情報が顧客にどう使われているのか大いに気を使います。言いたいことは文字量としてA4判の紙面で十分説明できますが、文字がズラズラと羅列されたものを見せて、理解してくださいといっても無理です。ですから画像や図表を入れて8ページ位に仕立て直し、顧客にお見せしています」ということでした。

当社ではこのようなお客様に対し取材を行い、利用者が使いやすい印刷を提案します。

お客様からは「とても価値のある情報だ」という反応が返ってきています。

いくら安く仕入れても、望んだ効果と結果が生まれなければ、投資した意味がありません。

投資の見返りが得られる印刷物をどうしたら作れるのか、このことを真剣に考えない限り印刷のこれからはあり得ないということです。


以上、ここまでの話を持ちまして私の持ち時間が参りました。


(終)

※メールマガジンでの紹介にあたり、漢数字をアラビア数字に部分的に変更しています。

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