『非常識が企業を進化させる』(1)エコロジーとエコノミーを両立する

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複数回に分けて弊社が発行している書籍『非常識が企業を進化させる - 全体最適は社会も変える -』の内容をメールマガジンでお届けしております。

経営者・営業担当向けの内容になっております。


書籍『非常識が企業を進化させる - 全体最適は社会も変える -』については以下のページをご覧下さい。

http://bit.ly/Mp1QC3


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2011年10月13日にハイデル・フォーラム21プリネクト研究会主催により、新潟県五泉市に本社を構える株式会社吉田印刷所にて「未来環境型IT工場見学会」が開催されました。

この原稿は、当日行われた吉田和久(吉田印刷所代表取締役社長)と本田雄也(ハイデルベルグ・ジャパンプロダクションマネジメント部部長)によるパネルディスカッションを文章化したものです。話の流れを分かりやすくするため、順序の入れ替えや言い換えなどの修正を行っていることを予めご了承ください。

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※「はじめに」の挨拶と「新工場の概要について」は省略いたします。



●エコロジーとエコノミーを両立する全体最適型工場


◆本田 ──────────

今回の御案内状に「エコロジーを追求すればエコノミーになる。それによってIT化とエコ化の両立に成功した全体最適型工場」とあります。

ここには、「エコロジー」と「エコノミー」、それから「IT化」という三つのキーワードが出てきています。

これらによって全体最適型工場が出来たということですが、この中のエコロジーとエコノミーについて、まずは紐解いていきたいと思います。


エコロジーを追求した結果、経済的にも恩恵があったのか。

経済性を追求するためにエコロジーを使おうとされたのか。

社長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。


◆吉田 ──────────

私は常々、エコロジーもエコノミーも同一のレベルで考えなければいけないと思っています。

つまり、エコロジーとエコノミーは同等の重要度を持つ社会と経済の要求だと捉えているということです。

恐らく皆さんも、お客様からその両立を求められているのではないでしょうか。


これはどちらが先か後かという性質のものではなく、どちらかをやれば、必ずもう片方が影法師のように付いてくる表裏一体のものだと認識しています。


◆本田 ──────────

昨今、印刷業界でも環境問題への取り組みは盛んになっています。

私自身、環境と経営の両立に課題をお持ちという会社さんが非常に多いという実感を持っており、この質問をさせていただきました。

どちらが先ということではなく、バランスであるというお答えだったかと思います。


◆吉田 ──────────

これはバランスも然ることながら、人類が果たすべき責務だと考えます。

この要求を受け入れられない会社がどうなるか、そのことに我々は薄々気付いているはずです。


物事には必ず二面性があり、チャンスとピンチが一緒に訪れる。

チャンスとピンチも、やはり表裏一体の関係なのです。これをチャンスと受け止めるのか、ピンチとして放棄するのかのどちらかだと思っています。

この二つの要求をしっかりと意識して、これまでとは質の違う変革を起こすことを今求められているのだ、と感じ取ることが重要です。


◆本田 ──────────

今、社長は「しっかりと意識して」とおっしゃいました。

私もこの業界で「環境問題」と言われ、そこばかりにフォーカスして「結局本質は何だったのか」ということになりがちだと実感しています。

社長のお言葉からもお分かりになるように、やはり両方合わせて意識していかなければだめだ、ということだと思います。


最初に、エコロジーとエコノミーとIT、三つのキーワードがあると申し上げました。

次はこの「IT」について、御社にとってIT化とはどういうことなのか、教えていただけますでしょうか。


◆吉田 ──────────

ITは、情報をどう捉え、どう整理して活用するかということだと認識しています。

IT化することにより、複数の工程でダブっていた作業が一本化されるというのがIT化の効果だと思います。

しかし、IT化というのはデジタル化するからIT化ではないし、ITの設備を導入したからIT化という話でもない。

先程申しましたように、情報をいかに整理して活用できる状況を整えているかが重要であり、工程の流れの中にある無駄がしっかりと「視える化」されているかどうかだと思います。


この「視える化」をする際に、何で捉えた方が良いのか。日々起こっている現象に対し、臨機応変の対応策を素早く出すには何が最適なのか、その判断の選択肢となる情報の鮮度と質をどう維持するかが重要ではないかと思います。



(次回に続く)



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