今回は、製品カタログの在庫管理について、ひとつのアイデアをご紹介いたします。


この文章を読んだ後、製品カタログの発注について、新しい選択肢が追加されることでしょう。


様々な商品やサービスを扱うメーカーや販売店では、数多くの製品カタログや商品カタログをお作りになっていることと存じます。

紙媒体というカタログを使うことで、お客様が情報を見やすくなったり、保管しておきやすかったりするので、まだまだ多くの現場で活用されています。


カタログの厚みをイメージしてみましょう

製品カタログや商品カタログは、数十ページのものから、数百ページ、千ページを超えるカタログが存在します。

紙媒体のカタログは、ウェブページの情報掲載とは違い、掲載内容が多くなって、ページが多くなれば多くなるほど厚みがある印刷物になります。

カタログも手元にある1冊や2冊であれば、その厚みも大して気になることはありません。

しかし、それが数千冊、数万冊だったらどうでしょうか。

多くの場合、数千冊から数万冊をまとめて印刷することが多いので、カタログが大量にまとめて納品されます。

このため、カタログを制作している時のイメージとは違い、思った以上に保管スペースが必要になるのです。

画像:倉庫にできあがったカタログが山積みになっている様子

なぜカタログは大量に印刷されるのか

カタログはなぜ一度に大量に印刷されるのでしょうか。


それは、まとめて印刷した方が、カタログが製造単価を安くなるためです。

一冊あたりの単価が安くなれば、経費を抑えられるので、大量に一括で印刷するのです。


カタログの発注担当者から指定の単価になるよう数量を調整して発注をされることもあるので、実際に使うカタログの数量よりも多く印刷することもございます。


いずれにしても、一括で大量に印刷することで印刷の経費を抑えることが目的になっています。

画像:在庫に対する問題提起

カタログの保管や管理にはコストが掛かる

使わないカタログは倉庫に保管しておけば良いとはいうものの、様々な問題が存在しています。


カタログが倉庫のどこに保管してあるのかを倉庫担当者は把握や管理をしておかなければなりません。また、カタログの在庫がなくなってから発注していては、カタログの在庫切れのリスクがあり営業活動に影響がでるので、残っているカタログの冊数の把握や管理もしなければならないでしょう。

カタログが傷んでしまわないよう保管状況の管理も重要です。

保管スペースも、大きな倉庫を持っている会社であれば気にならないですが、都市部でオフィスビルの中に会社が入っている場合は、カタログを多く保管するスペースも確保しづらいのが現実なのではないでしょうか。


在庫を減らすためにはどうするか

この在庫管理の問題は、在庫管理の方法やシステムに原因があることも多いですが、そもそも大量に在庫を抱えることが在庫問題を引き起こす原因になっています。

在庫が少なければ数の把握や管理もしやすくなりますし、スペースは少なくて済みます。

それでは在庫をできる限り少なくするためにはどうしたら良いのでしょうか。


それには今必要とする印刷の量を変化させ、印刷の発注方法を変えてみることで解決できるかもしれません。

一括で配布して終わる印刷物でなければ、一定の期間内で順次印刷物を配布していくパターンが多いでしょう。

短期的に見れば、必要となる印刷物の量はそんなに多くない場合も見受けられます。

それならば、まとめて印刷する必要はないと言えます。

一括でまとめて印刷する方法から、必要な分だけ分けて印刷する方法に変えてみてはいかがでしょうか。

画像:現状まとめて印刷することに対する提案

必要な分だけ分けて印刷することのメリット

必要な分だけ印刷することで、生まれるメリットは何でしょうか。リストアップしてみます。

  • 印刷物を保管するためのスペースが削減されることによるコスト削減効果
  • 大量の印刷物の数の把握や管理のためのコスト削減効果
  • 印刷物への支払い額が少額に分割されることの決済負担の削減効果
  • 印刷物の余り(デッドストック)が減ることによる環境負荷の削減効果

必要な分だけ印刷するため、カタログの保管スペースが減ります。場合によっては、各営業所や支店にすべて保管できる量になり、倉庫そのものが完全に不要になるケースもあるかもしれません。

また、倉庫に保管していれば、保管スペースの他に、在庫数の管理や保存状態の維持などの管理コストなどが必要ですが、そのコストが削減されるのは必要な分だけ分けて印刷することによって生まれる大きな効果のひとつです。

他には在庫管理とは関係がなくなりますが、分けて印刷することで、請求金額も分けられるので、少額になります。会社によっては、一定の金額以上の決済では上長の承認が必要になるという仕組みを導入されているところもありますが、そうした場合も、少額になることで承認が不要になり、より機動的な発注がしやすくなります。

単純な様々なコスト削減だけでなく、必要な分だけ無駄なく印刷するので、使わずに廃棄する印刷物が発生せず、環境にも優しい印刷方法になっています。

CSR的観点からも有効な印刷方法です。


必要な分だけ分けて印刷することのデメリット

逆に必要な分だけ印刷することで、生まれるデメリットは何でしょうか。リストアップしてみます。

  • 印刷の発注回数が多くなることで発注が煩雑になる
  • 一括の印刷より製造単価が上昇する

分けて印刷することで発生するデメリットは、発注の回数が多くなるので、発注担当者の負担が増えることが挙げられます。これは避けられない負担です。弊社で分けて印刷する方式に切り替えたお客様の傾向を見る限り、年に3~4回程度の発注になることが多いようです。

一括の印刷より製造単価が上昇するのは、生産効率の問題や配送などのコストが個別に掛かってくるために発生するデメリットです。しかしこのデメリットは、印刷会社によっては、発注から納品までのスパンや生産効率の改善などによって上昇幅を軽減することができるでしょう。

画像:倉庫が満杯の状態からスッキリした状態

いかがでしたでしょうか。分けて印刷することでお悩みに対して一括で印刷する時とは違ったアプローチができます。お悩みに対するひとつのアイデアとして知っていただければ幸いです。

吉田印刷所では、カタログ印刷に関する様々なお悩みに対する相談を承っております。

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