印刷データではまだ危険?Illustrator 2023の新機能「クロスと重なり」

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印刷データではまだ危険?Illustrator 2023の新機能「クロスと重なり」

こんにちは。吉田印刷所です。今回は Illustratorの新機能「クロスと重なり」 についてお知らせします。

「クロスと重なり」を使った印刷データは要注意

Illustrator 2023(27.0)のとても便利そうな新機能「クロスと重なり」ですが、この機能を使った印刷データは注意が必要です。

ちなみに「クロスと重なり」機能は以下のような重なりをカンタンに作成できる機能です。

以下のような単純なクロスと重なりの例を作成してみました。

この機能はかなりインパクトのある機能ですが、以下の問題が確認されています。
 

オブジェクトが消える

クロスと重なりの機能ですが、PDF書き出しした際に、クロスと重なりの機能が適用されたオブジェクトが消えてしまう問題があります。

つまり真っ白に…。

この問題はPDF/X-1a形式でPDF書き出しした際に発生します。
 

解像度の画像として処理される

また、PDF/X-4形式でPDF書き出ししても、低解像度の画像として処理されるため、印刷用途には向きません。以下の画像のようになってしまいます。

InDesignに配置した場合でも、低解像度の画像として処理されます。

これは大きな問題ですね。Illustrator 2023(27.0)は最初のリリースになるので、まだしばらくは安心できない状態かもしれません。

アップデートが出るまでは「透明部分を分割・統合」などで対応するしかなさそうですが、気をつけて印刷データをチェックする必要がありそうです。


今回のニュースレターはここまでです。ありがとうございました。