製品カタログやサービス案内などの一冊の印刷物を完成させるのって、とても大変ですよね。

掲載したい内容の情報収集と精査、編集、デザインやレイアウトの制作、そして校閲と校正。いくつもの工程を経てようやく完成の日の目を見ることができます。数百ページにおよぶカタログでは、完成まで年単位の時間がかかることも多く見られます。


こんなに苦労を重ねて作り上げたのにも関わらず、完成後に必ずといっていいほど聞くのが「価格をまちがえた!」「違う画像を載せてしまった!」「情報が間違っていた!」などの悲鳴。

いわゆる誤植・誤記といわれるものです。

ビジネス用途のカタログを内容が誤った状態で使い続けると、その誤った情報を元にお問い合わせや発注をされた方から、こんなお言葉をいただくかもしれません。

画像:女性が怒っている様子
女性が怒っているイメージ

「このサイズだと思って頼んで届いたら、サイズが違って使えなかった」

「この価格だと思って問い合わせしてみたら、全然違う価格だった」


…これではビジネスチャンスを失ったり、信用問題に繋がったりしてしまいます。

しかし、どんなに注意深く校正をしたとしても、人間が行うことなので、このような制作のミスは発生するものです。ある意味、仕方ないことかもしれませんよね。


今回は、間違いが発生したときに担当者が覚えておくべき印刷物の3つの訂正方法と、さらに、間違いを見越して対処する方法を紹介します。


カタログ発注担当者が覚えておくべき
誤植・誤記への3つの訂正方法

誤植・誤記への一般的な訂正方法は主に3つの方法があります。


  • A:刷り直し(印刷のやり直し)
  • B:訂正文・正誤表のはさみ込み
  • C:訂正シール


これらは内容の間違いが発生したときに採用するスタンダードな方法なので、カタログ発注担当者は覚えておくべき方法と言えます。それでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。



A:刷り直し(印刷のやり直し)

Aの刷り直しは、誤植・誤記がある印刷物を廃棄して、もう一度印刷をやり直す方法です。

もう一度印刷をやり直すので、完全に新しくなった印刷物を手に入れることができます。ページ数の多いカタログなどでは印刷のやり直しだけでなく、表紙の表面加工や製本などでもコストや時間が多く掛かる場合も多いので、コストの面、時間の面から極力避けたい方法です。

しかし、先程説明したようにビジネス用途のカタログなどでは、価格や情報の間違いが信用問題に関わってくる場合があるので、予算をなんとか捻出してでも刷り直しをするケースもあります。この場合は、間違えて印刷してしまったカタログは使えないため、廃棄しなければいけません。資源の無駄になってしまうので環境問題に取り組む企業では問題にもなりかねません。


刷り直しは正しく訂正された印刷物が手に入りますが、コストや時間が必要



B:訂正文・正誤表のはさみ込み

Bの訂正文・正誤表のはさみ込みは、読者やユーザーの手に渡る前に訂正文・正誤表を印刷し、印刷物それぞれにはさみ込みます。こちらの方法は最も現実的な対処方法です。

印刷物を手に取った読者やユーザーはその訂正文・正誤表によって掲載内容が正しいのかどうかを判断することができます。

すべてを印刷しなおすのではなく、必要最小限の訂正文・正誤表の印刷なので、刷り直しよりコストは掛からないのがメリットです。

一方で、部数が多い場合には、訂正文・正誤表の印刷やはさみ込み作業自体のコストが、発刊日の遅れにもつながります。訂正文・正誤表は、冊子にはさんでいるだけなので、訂正文・正誤表を紛失してしまったら、正しい情報が伝わらないというデメリットもあります。

また、読者側からは、訂正文・正誤表を見ながら本文を見なければならないので、読みづらく内容を理解しづらいというデメリットもあります。


訂正文のはさみ込みはコストを安くできますが、読者が使いづらい



C:訂正シール

Cの訂正シールは、内容が誤っている部分に正しい情報が印刷されたシールを貼って、誤りを上から隠してしまう方法です。

はさみ込みのような紛失の心配はなく、内容が誤っている場所が正しい情報に上書きされるので、読者の利便性は高いメリットがあります。

一方で、正確な位置にシールを貼らなくてはならないので、作業時間ははさみ込みよりもかさむ場合が多いのがデメリットになります。複数箇所の訂正や、カラー印刷部分の訂正の場合は、シールの作成費用と作業時間が大きくなります。


訂正シールはピンポイントで修正ができますが、手間が掛かる




これらの方法で印刷物の誤りは対処することができます。


それぞれの対処方法を比較の表にまとめてみました。(カタログデザインの複雑さやページ数によって変動します)

対処方法必要な費用必要な時間追加作業の難易度読者の使いやすさ
刷り直し××
訂正文・正誤表のはさみ込み
訂正シール×


でも、どれもデメリットがあり、もう少しスマートにできないのだろうかと思ってしまいますよね。


+α:間違いのリスクを最低限に抑える新しい方法

さて、このような印刷物の間違いリスクを避ける究極の方法はなんでしょうか?


それは「印刷しないこと」です。


え? なにそれ?


当然そう思いますよね。

印刷物は情報を伝えるツールなのに、印刷しないなんて本末転倒ですよね。



でも、例えばカタログを10,000部印刷する場合、その10,000部は本当にすべて必要なのでしょうか?

あるいは、10,000部すべてが同じタイミングでできあがってなければいけないのでしょうか?



通年で使用するカタログなどの場合、例えば1月に印刷してその年の12月まで需要に合わせて少しずつ頒布するというケースが多いです。その間は倉庫などで保管して在庫の管理を行います。この場合ですと、何も1月に10,000部すべてが揃っている必要はありませんよね。

例えば、1月から3月までで2,000部、4月から5月は商談会や展示会があるので3,000部、6月から9月は低需要期なので1,000部、10月から12月は歳末商戦で需要が増えるので4,000部など、時期によってカタログの必要部数も変わります。

画像:カレンダーのイメージ
カレンダー(イメージ)

それならば、印刷も需要に合わせて分割して発注してしまえばいいのです。

万が一、最初の2,000部の印刷の時に間違いが見つかったとしても、次回印刷の時にデータを修正して印刷すればいいのです。印刷してしまった分の訂正にかかる対応は、最初の2,000部に対してだけで済みます。10,000部すべてを印刷していたら対応しなければならない量は5倍になります。


カンの良い方はお気づきかもしれませんが、本来10,000部印刷するところを上記のように、2,000、3,000、1,000、4,000などに分割発注してしまったらそれぞれの印刷単価に差異が出て、結果的に10,000部を一度に印刷するより、かなり費用的に割高になってしまうのではないかと。


その通りです。

印刷費用の積算をするための基準のひとつに「部数」があります。同じ印刷物でも、部数が多いほうが単価は下がります。


しかし、上記のように印刷を分割したとしても、10,000部の単価で統一できるとしたらどうでしょう?


それを可能にしたのが吉田印刷所の「フレッシュプリント」です。

フレッシュプリントは、総印刷部数を基準に単価を算出します。その単価で印刷を分割できる新しい印刷発注の仕組みです。

画像:フレッシュプリントのコスト算出イメージ
フレッシュプリントのコスト算出イメージ

欧米で以下の格言があります。

Don't put all your eggs in one basket.


日本語訳では以下のものが有名ですよね。

卵は一つのカゴに盛るな

この日本語訳は分散投資のわかりやすい例として聞いたことがあるのではないでしょうか。

一つのカゴにすべての卵を盛っていると、もしカゴを落としてしまったときにすべての卵が割れてしまいますが、いくつかのカゴに分けて盛っておけば、もしカゴを落としたとしても影響は限定的なものになる、ということです。

画像:カゴに溢れるばかりに入れた卵
カゴに入っている卵のイメージ

フレッシュプリントの考えも、こうした考え方と同じです。印刷を分けることで、リスクを最小限に抑えることができる印刷発注方法になっています。


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