“損紙・ヤレ紙・予備紙” の意味・解説

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表記・読み

  • 損紙…そんし
  • ヤレ(破れ)…やれ
  • ヤレ紙(破れ紙)…やれし/やれがみ
  • 予備紙…よびし

解説

損紙はヤレ・ヤレ紙ともいわれ、印刷物の製造工程で発生する製品にならない紙のことです。

印刷の見積もりや工程管理では製造工程で必要な紙として予め準備しておくので「予備紙」(よびし)とも呼ばれます。


損紙は、製造工程で使用した納品できない(しない)紙で、製造上のミス・失敗で発生した使えない紙も指しますが、それがすべてではありません。


例えば、印刷工程では、本印刷をスタートする準備として以下の調整やチェックを行います。

  • 見当調整(位置調整)
  • 色調整
  • ブランケット洗浄
  • 湿し水量調整
  • 汚れや傷が付いていないか
  • 抜き取り検品


このために印刷機に紙を通して印刷(もしくは空通し)を行い、製品として認められる品質に調整していきます。

調整のために使用する枚数は、納品数(ロット)・紙質(紙の状態)・インキ・印刷機の状態・要求されている印刷品質などによって変わってきます。


他の工程の断裁・折り加工・製本・表面加工などの調整や準備などでも、ある程度の枚数の紙や印刷物が必要になるので、印刷の見積もりを行う際や、次工程に送る際には、納品する実数以外で必要な枚数を予め確認しておくことが重要です。

確認を行わないで、製造を進行すると、工程上や品質上の問題で実数割れ(=納品する枚数に足りない状態)を起こすこともあるからです。


印刷工程の損紙は、そのままリサイクル(または廃棄)される場合もありますが、ほかの印刷の調整の時やメンテナンスの時に使用されることもあります。