“グラシン紙” の意味・解説

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表記・読み

解説

グラシン紙とは、化学パルプをどろどろになるまで機械で処理し(叩解(こうかい)といいます)、スーパーカレンダー処理で熱と圧力をかけて繊維と繊維の隙間をなくすまで潰し、平滑度を高め、密度を高めることで半透明にした薄葉紙のことです。

表面はつるつるとした感じの仕上がりになっています。

繊維同士の密度が高いため、多少は耐水性や耐油性が上質紙などの紙よりも高いですが、極端に水や油に強いわけではありません。料理やお菓子などで使用するグラシン紙はポリエチレン(PE)などで表面加工を行っており、耐水性・耐油性などが高くなっています。


グラシン紙とトレーシングペーパーは同じものと勘違いされる場合がありますが異なります。トレーシングペーパーと比べ、グラシンペーパーの方が薄く、柔らかい紙になっています。


仕上がりがすりガラスに似ているのでグラシン(glassine)と呼ばれています。

(glass:ガラス/ine:~のような)


((名詞について形容詞をつくる))「…の(ような)」「…の性質の」

-ineの意味 - プログレッシブ英和中辞典(第4版)(小学館)(コトバンク)


通常半透明ですが、顔料や填料を加えて色づけしたり不透明にしたものもあります。


書籍カバーや製菓・裁縫の型紙などの他、包装紙としてよく使われる紙です。

また、窓付き封筒(窓明封筒)の窓部分に使用されることもあります。窓の部分はポリプロピレン製が多くありますが、グラシン紙を使用することで分別しなくても古紙へのリサイクルに出せるというメリットもあります。

グラシン紙とパラフィン紙は異なる紙です。(パラフィン紙のベースにグラシン紙を使用する場合もあります)

グラシン紙とパラフィン紙では耐水性や耐油性において、パラフィン紙の方が優れます。

JISでの定義

「JISP0001 紙・板紙及びパルプ用語」のNo.6045 グラシンの項目では以下の様に定義されています。

化学パルプを高度にこう(叩)解して製造し,スーパー仕上げして製造した薄葉紙


参考 本来,透明度の高いものが多いが,てん(填)料を加えて不透明にしたものもある。ピンホールがなく、耐脂性がよいことが要求される。食品包装,容器内張りなどに用いる。

JISP0001 紙・板紙及びパルプ用語

印刷で使用する場合のポイント・注意点・印刷適性

インキの受理性に優れ、発色性も良好です。

しかし、インキの乾燥性はあまり良くなく、総インキ量TAC値・濃度)によっては完全乾燥に時間を要する場合があります。

  • 総インキ量が高い(絵柄が重い)場合、乾燥に7日~10日程度必要です
  • 総インキ量が低い(絵柄が軽い)場合、乾燥に3日~7日程度必要です


以下は吉田印刷所印刷する場合のデータになります。

米坪量連量〈762×1016mm〉厚さ用紙サイズ最大印刷可能サイズ
25.8g/m2(薄口)20kg0.024mm762×508mm735×482mm
30.5g/m2(厚口)23.6kg0.031mm762×508mm735×482mm
35.0g/m2(特厚35)27.1kg0.032mm762×508mm735×482mm
40.0g/m2(特厚40)31kg0.036mm762×508mm735×482mm

※厚さは弊社測定値です。

関連サービス

吉田印刷所では、薄葉紙(極薄紙)であるグラシン紙にカラー印刷できる技術を持っております。

カラー印刷の表現にご興味ある方は、詳細を以下のページからご覧ください。


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