吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」2013年5月号《紙のおはなし(2)》

  • 公開:2013-05-01 23:26
  • 更新:
吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」2013年5月号《紙のおはなし(2)》

紙にも「目なり」がある

普段皆さんが手にしている「紙」ですが、1枚1枚に特徴があるのをご存知ですか?紙には「目なり」というものが存在します。我々印刷業では「紙目」と呼んでいます。この紙目とは、2つに分けられていて、「縦目」「横目」と呼ばれているのです。印刷物の用途によって、的確に選択されています。

紙目ができるのはなぜ?

紙は、パルプ繊維を水で溶かし抄紙機(紙を抄く機械)で一定方向に流しながら製造するため、進行方向に繊維が揃い「紙の流れ目」ができます。

紙は一連のライン上で製造され、一度巻き取られます。巻き取られたロールの状態では常に紙の目の方向は一定ですが、シート状(平判)に紙を切る時に縦横どちらの向きでカットするかによって縦目と横目の違いがでてきます。

紙の長辺に平行方向に繊維が流れている紙を縦目(T目・タテ目)といい、逆に垂直方向に繊維が流れている紙を横目(Y目・ヨコ目)といいます。

紙のサイズ・種類によっては、T目しかないものやY目しかないものもあります。

紙目を正しく選択しないと?

折り加工などの場合で、紙を折る方向と紙の目が平行になっていることを【順目】、折る方向と紙の目が垂直になっていることを【逆目】といいます。

紙目に逆らうと折り加工がしにくい、仕上がりがきれいにならない(背割れやシワ、けばだち)といった現象が発生します。(紙の厚さ、刷り色の濃さにもよります)また、ラック等に入れると曲がってしまったり、冊子の場合は小口(綴じていないほう)が波打ってきたり、ページが開きにくいこともあります。

また、紙は湿度によって紙内部の繊維が膨張したり収縮したりすることで流れ目と垂直方向に伸縮することがあり、紙の表裏の伸縮度合いの差により紙が反ってしまうという現象が起こります。

用途に合わせた紙(紙目)を

これまで記したように、ただ紙といっても1枚1枚に目なりが存在していますが、普段手にする完成された印刷物ではその違いに気付かないと思います。すでに折り加工されているパンフレットや冊子を折られている方向とは逆方向に折ってみてください。紙1枚1枚にもクセがあるのが感じられると思います。

こんな折り加工をしたい、こんな冊子を作りたいなど、どんな質問でもいつでもお答えします。せっかく印刷物を作るのであれば、より用途に合わせた用紙選びをしてみてはいかがでしょうか。

紙にも「厚さ・重さ」という単位がある

皆さんがよく目にする印刷物として思い浮かぶのは、雑誌や書籍または広告のチラシなどが一般的だと思います。そのような様々な印刷物ですが、「厚さ・重さ」を気にしてご覧になられますか?実は紙1枚1枚には「厚さ」または「重さ」の単位があり、印刷物の用途によって使い分けられています。例えば、チラシやフライヤー、カタログなどの冊子の本文に使われる用紙。これは「90kg」などと表記され、用紙の厚さを目安として表しているのです。

用途に応じた紙の厚さをえらびましょう

当社ではお客様の用途に合わせた用紙のご相談を常に承っております。例えばチラシやフライヤーなどは90kgがお薦めです。チラシ・フライヤー印刷では十分な厚さで、価格もお手頃です。用途を考えると、厚くても135kgまでが良いと思います。また、折り加工をする場合があります。折りの種類にもよりますが、厚い紙を無理に折ろうとすると、折った部分が割れてきます。どうしても厚い紙でとなると、筋を入れてから折る事もできますが、時間とコストもかかります。複雑な折りが必要なものはお気軽にご相談下さい。中綴じ冊子の場合では、表紙には結構厚めの紙が使われます。135kgや180kgなど、しっかりした感じが表紙には必要だからかもしれません。一方、本文部分では、ページ数にもよりますが、あまり厚めの紙でページ数が多いと、冊子が膨らんだような感じになります。紙の種類だけでなく、厚さも考えてどの紙を選ぶのが最適なのかを考えることが、美しい印刷物を仕上げるためには重要です。

印刷用紙の豆知識

ユポ紙

ユポ紙は、木材パルプから作る紙と違い、ポリプロピレンを主原料とする合成紙です。耐水性があるので選挙ポスター等、屋外に掲示される印刷物に使用されます。また折り曲げてもすぐ開く特性から投票用紙に利用されており、開票作業の高速化を図ることができ、即日開票を可能としました。

再生紙

原料に古紙を配合してつくった紙のことです。新聞紙、段ボール、トイレットペーパー等に利用されてます。古紙に含まれるインクを抜く脱墨の工程が必要なため、新しい木材パルプだけで作った紙よりも割高になりますが、急増する紙ごみと森林資源保護のため、再生紙は利用されています。

編集後記

今回は「紙の目なりと重さ」についてお伝えしました。紙の厚さが違うだけでも印刷物はイメージを大きく変えます。お客様が紙を選ぶ時は種類も大事ですが、「厚さ」にも注目してみてはいかがでしょうか。弊社もお客様の印刷物の価値を充分に発揮してもらうためにアドバイスをいたします。お気軽にお問い合わせください。

「YOSHIDA TELLING」とは

吉田印刷所の印刷のことをはじめ、社会やお客様に対してどんな取り組みを行っているかをもっと知ってもらいたい、その想いから、吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」を制作しています。

TELLINGは「伝える」という意味です。

本誌を読んで当社へのご興味を持って頂ければ嬉しいです。

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