吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」2012年11月号《胆管がん問題と吉田印刷所の環境への取り組み》

吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」2012年11月号《胆管がん問題と吉田印刷所の環境への取り組み》

胆管がん問題と吉田印刷所の環境への取り組み

各メディアで報道されていましたように、全国の校正印刷工場で多数の従業員・退職者が胆管がんを発病しているという問題がおきています。

この件に関してのまとめと、吉田印刷所の環境に対する取り組みについてお伝えします。

そもそも胆管がんとは?

胆管は肝臓から十二指腸につながる管の部分で、肝臓で作った胆汁を十二指腸に運びます。ここにできるのが「胆管がん」です。

発症初期には自覚症状がありませんが、その後以下のような初発症状で発症に気づきます。

  • 黄疸:皮膚や眼球の白目の部分が黄色くなります。
  • 白色便:便の色が白っぽいクリーム色になります。
  • 黄疸尿:尿の色が濃く(茶色っぽく)なります。
  • 掻痒(そうよう)感:皮膚にかゆみがあらわれます。

胆管がんは国内で年間1万人以上が発症しています。中でも男性が多く、その発生率は年齢を増すごとに高くなっていきます。

問題の原因と見られていることは?

問題の原因の可能性として、作業時に使われていた洗浄剤の有機溶剤に含まれている「ジクロロメタン」と「1、2ジクロロプロパン」の2つの化学物質に原因があるのではないかと指摘されています。

ただし、これらの化学物質は動物実験による発がん性は確認されていますが、人体への発がん性に関してはまだ確認されていないので、因果関係があるとは断言できないようです。

また、作業所内の空調・換気の設備に問題があったこと、さらに従業員に防毒マスクを支給していなかったなど劣悪な作業環境であったことも判明しました。

吉田印刷所の安全衛生管理について

吉田印刷所は、従来より環境負荷低減に取り組んでおります。有機溶剤についても環境・安全両面から対処してまいりました。

吉田印刷所の取り組み
  • 製品安全データシート(MSDS)の取得・保管
  • 洗浄剤等の保管場所の特定及び表示
  • 洗浄剤等の容器の密封、使用済みウェスの密封保管
  • 防護具の整備
  • 有資格者である有機溶剤作業主任者の配置

「有機溶剤中毒予防規則」(労働安全衛生法に基き定めた安全基準。以下、有機則)では、有機溶剤について有害性の強いものから順に第1種、第2種、第3種と規定されています。

当社では現在、有害性が低いとされている第3種のみ数点使用している状況ですが、今後はこの第3種の使用も廃止する予定です。近いうちに、吉田印刷所は有機則に該当する洗浄剤等は使わない工場になります。

他にも胆管がん腫瘍マーカー検査の実施等、常に情報収集・環境改善を行い、従業員が安心して働ける職場、お客様が安心してご利用できる会社を目指していきます。


印刷用語【校正印刷工場】

大量印刷の前に少部数を印刷し誤植や発色などを確認する「校正印刷」を専門とする工場です。印刷工場といっても「校正」の為の印刷なので印刷機は通常の物と違い低速で工程も手作業が多いのが現状です。また、校正刷りということは種類も多く、少しづつ刷るため刷版を頻繁に換えなければいけません。その為に、機械のインキを落とす必要があるため、有機溶剤を含む洗浄剤の使用量が一般の印刷工場に比べて頻度が高いといえます。


印刷の常識を変える疑似特色。

プロセスカラー印刷の環境で特色を再現する疑似特色にチャレンジしています。

吉田印刷所の疑似特色とは?

当社はプロセスカラー印刷を主体として作業環境を構築しております。その中で、お客様のご要望としてコーポレートカラーをDIC カラーなどの特色に指定されたい場合、あるいはコストを削減するため単色での印刷を依頼されるケースがあります。

しかしこれらの色指定の印刷が作業工程に入りますとプロセスカラーの印刷環境との相違が発生し、印刷機を洗浄する回数が増加します。また、その作業により作業時間のロスタイムが多くなり、結果として作業効率がダウンすることになります。

洗浄回数を軽減しロスタイムをできるだけ削減することは、最終的に印刷物の価格を抑制することに繋がります。そのため、当社はカラー印刷の環境で特色印刷を行う方法として特色をプロセスカラーに変換し、これら変換後の各色を重ね合わせて印刷し、疑似的に特色の再現性をもたせる「疑似特色」にチャレンジしてきました。

(写真:DICカラーを疑似特色印刷で再現したもの)

疑似特色で広がる可能性

書籍などで使われる明朝体の様な細い文字は複数の色を重ね合わせて印刷すると、色の位置がずれやすいので一般的には敬遠されがちですが、当社においては、しっかり管理された刷版とメンテナンスの行き届いた印刷機、それに高度な印刷精度により印刷することができます。

重ね合わせて再現した色はどの分野においても応用できるものと考えております。実際に疑似特色を使っての文字の印刷や薄紙、不織布などへの印刷を行いました。

特色を使わず疑似特色で印刷することによって作業効率の向上を図ると同時に作業環境の改善にも繋がり、前段の記事が指摘する問題を解消できる手段として、環境問題へ提言することができるものと考えております。是非、この疑似特色へのご理解をいただければ幸いです。

(写真:当社のオフセット枚葉印刷機Heidelberg Speedmaster XL105-8Pにて印刷した薄紙の包材サンプル)


DTP用語集

プロセスカラー(ぷろせすからー)


プロセスカラーは色の表現法の一種で、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のことを指します。普段目にするチラシ・書籍・新聞などにこの4色が使用され、印刷がおこなわれているのです。ご家庭で使われているインクジェットプリンタもCMYKの4色のインクが使用されています。この印刷物もCMYKのみで印刷されています。ルーペ等で拡大してのぞいてみて下さい。


編集後記

この胆管がんの問題で印刷業界に対して危険な業界という印象を持ち、不安に思われた方もいらっしゃるはずです。今回この問題を取り上げたのは、これを単に校正印刷工場だけの問題ではなく、業界全体の問題としていかなければ業界に対する信用は得られないと思ったからです。これからも、環境に配慮した取り組みや商品を通じ、お客様が安心してご利用いただけるよう努めて参ります。


「YOSHIDA TELLING」とは

吉田印刷所の印刷のことをはじめ、社会やお客様に対してどんな取り組みを行っているかをもっと知ってもらいたい、その想いから、吉田印刷所ニュースレター「YOSHIDA TELLING」を制作しています。

TELLINGは「伝える」という意味です。

本誌を読んで当社へのご興味を持って頂ければ嬉しいです。

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