『チャンスは厄介の中に潜在する』(2)非常識な五つの常識

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複数回に分けて弊社が発行している書籍『チャンスは厄介の中に潜在する 私たちは価値の実をお客様と共に収穫する会社です。』の内容をメールマガジンでお届けしております。

経営者・営業担当向けの内容になっております。

この書籍は一般非売品です。


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本書は、五泉信用組合若手経営者の会主催により2012年2月8日に開催された、株式会社吉田印刷所社長吉田和久の講演「非常識な経営理念」を書籍化したものです。

当日は若手を中心とした次世代を担う経営者が多く来場し、講演に熱心に聴き入る姿が見られました。

尚、書籍化にあたり、発言の流れや言葉の入れ替えなどの修正を行っておりますので、予めご了承ください。

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《前回: https://www.ddc.co.jp/mail/archives/20120906/120300.html


●非常識な五つの常識

さて、本日の演題である「非常識な経営理念」について五つに区分して説明致します。


一つ目は『他社と同じ方向は向かない』ということです。

同業他社と同じ方向には、過当な競争はあってもチャンスはないと思っています。


二つ目は『独自にこだわる』です。皆さんのお手元にある印刷物は、どこの印刷会社でも印刷することが可能です。

よって当社が提供する印刷物は、他社にはない独自の価値を埋め込むことが重要となります。


三つ目は『潜在を突き詰める』です。

既に表に出ている顕在化した仕事を追い掛けるのではなく、まだ表に出てこない潜在している仕事をどうやって嗅ぎ分けるかがとても重要だと考えています。


この三点は誰もが理解できるごく当たり前のことのように感じられますが、実際の行動となると中々実行に移せないのが現実です。

逆に今からお話することの方が、実現性の薄い厄介な話と思われるかもしれませんが、これこそが日々の忍耐と努力が物を言うとても重要な部分なのです。


その四つ目は『臨機応変の対応』です。

これまでがこうだったから、これからもこの通りにではなく、臨機応変の対応による全体最適化が必要と考えます。

特に製造業の場合、この仕事はこの人でなければできない、この設備はこの人でなければ動かない。

このような固定化した硬直状態をいつまでも続けているとその人が休んでしまった、あるいは何らかの都合で退社した場合、大変な痛手となります。

危機管理の面からも、臨機応変に対応できる多能工のレベルを引き上げる仕組みを作っておかねばなりません。

当社では、以前まで分かれて作業をしていた刷版印刷、製本の三部門を統合して生産部としました。誰もが操作可能な設備ではありませんが、常にサポート補助が出来る教育を行い、単なる手伝いではないオペレーションを目指したレベルアップを図っています。

更に、段取り変更に掛かる作業を、部門統合で増えた人員の中で臨機応変に対応することで時間短縮を図り、次の行動に迅速に移行する訓練を日々オンジョブで行っています。


最後の五つ目は、『新規を尊ぶ』です。

当社はこれまでの古い習慣に縛られることなく、はた目には無謀とさえ思える独自技術の確立に果敢にチャレンジしてきました。

その成果は、世界の同業に負けない技術レベルを構築したと自信を持っています。当社は設備力や資金力で勝負する会社ではありません。

戦うための武器は、他社には真似の出来ない技術力です。この技術力に裏付けられた応用力が独自の領域を拡大し、他社にはない営業展開で差別化を図ってきました。

例えば、工場には導入して14年目になる印刷機械が今も現役で稼働しています。

印刷会社の法定償却年数は10年ですが、この14年目の印刷機械が完璧なまでに整備され問題なく稼働している状況に、見学に来られた同業の皆さんが驚いて帰られます。

日々しっかりとしたメンテナンスを行うことで、最新鋭のマシン同等の働きをしています。

この時代さえも超えたメンテナンス技術が、独自を生み出す総ての基礎になると確信しています。

これら五つの要素を組み合わせ生まれる複合技術が、新規で非常識な商品を生み出し、更なる新規を呼び寄せて価値の連鎖へと繋がるのです。



●非常識な経営理念

 こちら→ https://www.ddc.co.jp/mail/images/20120912-hijoshiki-na-keieirinen-01.png


(次回に続く)

※メールマガジンでの紹介にあたり、漢数字をアラビア数字に部分的に変更しています。

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